まとめ
長い年月にわたる決断へのプロセスを踏み、ついに主の宮は完成しました。
ソロモンが宮で神に向かって、長い祈りを捧げると、神の栄光が現れました。
ソロモンが祈り終えると、火が天から下って来て、全焼のいけにえと、数々のいけにえとを焼き尽くした。そして、主の栄光がこの宮に満ちた。祭司たちは主の宮に入ることができなかった。主の栄光が主の宮に満ちたからである。(Ⅱ歴代7・1-2)
⑦しるしはあるか
後の宮の建設地となったのは、ダビデの時代にエブス人オルナンの打ち場だった場所です。
ダビデが先見者ガドの預言に従って、この場で祭壇を作り、生贄を捧げると、主は天からの火を下すという奇跡を起こしました。
これは、この場が重要であることのしるしとなりました。
こうしてダビデは、そこに主のために祭壇を築き、全焼のいけにえと和解のいけにえをささげて、主に呼ばわった。すると、主は全焼のいけにえの祭壇の上に天からの火を下して、彼に答えられた。(Ⅰ歴代21・26)
⑥準備はどうか
戦士であり多くの血を流してきたダビデは、神の家を自分の時代に建てることは許されませんでした。
しかし彼は周到な準備として、金十万タラント、銀百万タラントを初め、量りきれないほどの鉄、青銅、木材、石材を用意しました(Ⅰ歴代22・14)。
これらの備えがあったからこそ、ソロモンはその治世の4年目にすみやかに事業に取り掛かることができたのです。
ダビデは言った。「わが子ソロモンは、まだ若く力もない。主のために建てる宮は、全地の名となり栄えとなるように大いなるものとしなければならない。それで私は、そのために用意しておく。」こうして、ダビデは彼が死ぬ前に多くの用意をしておいた。(Ⅰ歴代22・5)
⑤環境はどうか
ダビデの時代、イスラエル王国はまだ黎明期でした。
近隣諸国との戦乱が絶えず、大事業を始めるには適していませんでした。
まだ「環境」が整っていなかったのです。
後のソロモンの治世になると、王国は全盛期を向かえ、平安を得たので、ついに宮の建設に取り掛かることができました。
ソロモンという名前は「安息」という意味です。
主は、ソロモンが生まれる前から、御言葉を通して、平和な時代の訪れを約束していました。
④霊的指導者の意見
王であるダビデにとって、それ以上の立場にいるリーダーは地上には存在しません。
ですが、王は霊的なアドバイサーとして預言者ナタンを常に身近に置いていました。
ダビデは神殿建設の計画の当初からナタンに助言を求め、ナタンは神から受けた預言を忠実に告げました。
ナタンはこれらすべてのことばと、これらすべての幻とを、そのままダビデに告げた。(Ⅰ歴代17・15)
先見者(預言者の別称)ガドも重要人物です。後に宮の所在地となった「エブス人オルナンの打ち場」は、もともとダビデが先見者ガドの預言に従って訪れた場所でした。
③家族の一致
神殿の建設についてダビデが家族会議を開いた記録はありません。
そもそも王の仕事の中身について、家族が意見する立場ではなかったのかもしれません。
しかしこの決断については、さらに大きな規模での一致が必要でした。
国民の一致です。
ダビデはソロモンに仕様書を託すと同時に、国のリーダーたちにたいして、神の宮を作るために必要な資材を捧げるようにと励ましました。
「そこで、きょう、だれか、みずから進んでその手にあふれるほど、主にささげる者はないだろうか。」(Ⅰ歴代29・5)
②聖霊の促し
ダビデが神殿建設プロジェクトをバトンタッチするとき、彼は息子ソロモンに神殿の設計図(仕様書)を授けました。
ダビデはその子ソロモンに、玄関広間、その神殿、宝物室、屋上の間、内部屋、贖いの間などの使用書を授けた。御霊により彼が示されていたすべてのものの仕様書であった。(Ⅰ歴代28・11‐12)
「これらすべては、私に与えられた主の手による書き物にある。彼(ソロモン)は、この仕様書のすべての仕事を賢く行う」(Ⅰ歴代28・19)
これは「御霊により」示されたものでした。ダビデ自身も「主の手による書き物」だと説明しています。
神はただ言葉を与えただけではありません。神殿の詳細な設計図をダビデに啓示していたのです。
これは聖霊の導き・促しです。
主の宮の建設に見る「決断の7つの要素」
聖書が教える「決断の7つの要素」を学んだところで、ここからは聖書自体からケーススタディーを見ていきましょう。
テーマは、主の宮の建設です。
旧約時代、イスラエル王国がその威信をかけて決行した前人未到の大プロジェクトがありました。別名、「ソロモンの神殿」と呼ばれる「主の宮」の建設です。
ダビデとソロモンの2世代の王朝に渡り準備・実行されたこの計画は、工事期間が(王宮建設と合わせて)20年間に及び、15万3600人が従事しました。
完成式典では公式記録として牛2万2000頭、羊12万頭がいけにえに捧げられ、非公式記録ではさらに数え切れないほどのいけにえが捧げられました。
まさに空前絶後です。
王国の繁栄の象徴として後世に名を残すこのプロジェクトは、いかに決断されていったのでしょうか。
そのプロセスを「決断の7つの要素」から見てみましょう。